- 作成日 : 2015年9月28日
マイナポータルの便利な機能と利用するための注意点
平成29年1月より運用開始となったマイナポータルは、パソコンや携帯端末から自分の個人番号に関する情報にアクセスすることのできるサービスです。
マイナポータルを利用することによって、
・自分に必要なお知らせを受け取ることができる
というように、自分に関する特定個人情報が公正かつ適正に利用されているかどうか確認することができる他、便利できめ細かい行政サービスを受けることが可能となります。
自分の特定個人情報が適切に管理されているか確認することができます
マイナポータルでは自分のマイナンバーを含む個人情報が、いつ、誰によって、どのような目的でアクセスしたのかを確認することができます。自治体が保有する自分の個人番号に関する履歴を閲覧することによって、自身で適切に管理されているかを確認することができるだけでなく、行政機関が実施するサービスが透明化されることになります。マイナンバーが導入された当初の目的である「納税者主権の実現」の1つが、マイナポータルという手段によって果たされることになります。
実はマイナポータルを利用しなくても、自分の個人情報がどのように扱われているのかを行政機関に請求することができます。それを個人情報保護法における開示請求権といい、行政機関が持っているすべての自分の個人情報を本人が開示請求することができます。
実際に開示されるかどうかは行政機関の長が決定することになりますが、原則として開示請求権を行使すれば、自分の個人情報は開示されることになります。ただし、国の安全に関する情報や本人の安全が確立できなくなる情報については「個人の権利利益を害するおそれ」という表現で不開示情報として開示されることになります。
開示請求権によって開示された情報に誤りがある場合は、訂正請求権をつかって情報を正しい内容に修正することができます。正しい内容に修正する目的が果たされればどのような手段で対応してもよいとされているため、誤った情報を削除して新規作成したり上書きしたりする方法や、二重線を入れるなどして履歴として残す方法などがあります。さらに行政機関が違法または不当に個人情報を保有していることや、必要以上の情報を利用しているような場合において、利用停止請求権も認められています。
個人情報保護法によって与えられた開示請求権、訂正請求権、利用停止請求権を行使するためには、行政機関窓口に直接行く必要があったり、開示請求書を郵送したり、電子証明書をオンラインで送ったりする必要がありますが、マイナポータルが運用開始となればこれらの手続きはしなくても、自分の個人情報を確認することができるようになるのです。
マイナポータルでできること
マイナポータルにログインすることで様々なサービスを利用できます。
1.民間送達サービスとの連携
行政機関や民間企業等からのお知らせなどを民間の送達サービスを活用して受け取ることができます。
2.公金決済サービス
マイナポータルのお知らせからネットバンキング(ペイジー)やクレジットカードでの公金決済が可能となります。
3.自己情報表示(あなたの情報)
行政機関等が保有するあなたの個人情報を検索して確認することができます。
4.お知らせ
行政機関等から配信されるお知らせを受信することができます。
5.よくある質問/問い合わせ登録
操作方法に関するFAQを確認したり、問い合わせができます。
6.サービス検索・電子申請機能(ぴったりサービス)
子育てに関するサービスの検索やオンライン申請(子育てワンストップサービス)ができます。
国民向けウェブマニュアル(ぴったりサービス)
よくある質問(ぴったりサービス)
7.情報提供等記録表示(やりとり履歴)
(出典:マイナポータルとは|内閣府)
マイナポータルを利用するためには、個人情報カードが必要となります
マイナポータルはパソコンから利用するサービスです。パソコンを持っていない場合でも利用できるように、公的機関の端末からアクセスすることができます。どのような年齢層であったとしても使いやすいシステムであることや、身体的なハンディを考慮して代理人でも利用できるシステムを検討するようにと、番号法附則第6条第5項で定められています。
またマイナポータルによるサービスからなりすましに悪用される危険性を防ぐために、セキュリティに配慮したログイン方法が必要となります。マイナンバーを直接入力するログイン方法は本人確認ができないだけでなく、プライバシー保護の観点からもリスクが高いことが考えられるため、利用証明用電子証明書を搭載したマイナンバーカードが必要です。
まとめ
マイナポータルの稼働開始時期は平成29年11月から本格的に運用が開始されており、その後も利便性向上のための改善が行われています。今後は、マイナポータルが民間サービスやe-Taxと連携し、国民にとって本当に必要な行政オンラインサービスとして実現することを期待したいところです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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